デザイナーとプログラマー

@ITのこの記事を読んで…。
http://www.atmarkit.co.jp/fdotnet/aspdevura/aspdevura02/aspdevura02_01.html
ん〜。
黄色っぽい色枠で事例の対話があるけども、これって、プログラマとデザイナが端から歩み寄る気がないというか。頭悪いというか。そんな感じがします。
私が、デザインから入ったプログラマで、今でも時々デザインの仕事してるせいもあるかもしれないけど、はっきりそう感じます。
下の方にまとめて書いてますが、ASP.netの機能とか、それは問題を隠蔽してるだけで解決になってないでしょ?ってのがメインテーマ。


●一番目:デザインにずれが…。●
まあ、状況次第でどちらがどう…って言いきれない感じもしますが。
デザインのhtmlまでデザイナーが作成していると仮定して…。
【デザイナの罪】
スタイルシートをきっちり組んでいればそうそうデザインが崩れるものでもないし、逆にブラウザがかわれば見栄えもかわる、それがWebの世界。どういう部分がずれたかにもよるけども、3ピクセルずれてダメになる様なデザインはまずいんじゃない?DTPじゃないんだから。1ピクセルずれてもマズいところはあるけど。
というか、デザイナーでもWebデザイナーなら、どう言うところでデザインが崩れやすいかとかは把握しておいた方がいい。そしてプログラマに渡す時に、「ここは崩れない様によろしく」と念押ししておいた方がいい。ピクセル単位であわせたいなら。
プログラマの罪】
ロジック入れる段階でスペースが要らない改行やスペース入れてしまってるんでしょうな。ソースコードの可読性…って問題もあるけども、要件満たさなきゃ意味無いんで、そういうところはきっちりしないと。デザインのhtmlに、fromタグなんかを追加した際に、デザインが崩れるというのはよくある事。最低、新規にformタグを追加したら、スタイルシートでformタグのマージンやボーダー、パディングを0にしておく程度の事は考えるべき。場所にもよるが、3ピクセルずれれば洗練されたデザインもクズになる。


●2番目:指定した色と違う●
【デザイナの罪】
Webデザイナなら、色はRGBで指定しろや。それ以外に色を特定する方法なんかあるかい。
それか、スタイルシートに対応した色名か。
プログラマの罪】
デザイナが作ったhtmlに色が入っていたなら、その色そのままつかえや。ていうか、列が変わって、同じ紫入れてるつもりなら、前の列と同じRGBなり色名指定すればいいだけやのに、なんで適当に色名入れる?
「これは同じ色じゃないの?」とかイラストが描いてあるが、同じ色かどうかは色の指定部分見れば分かるでしょ。デザイナからの指定がきっちり来てないなら、デザイナにちゃんと聞かないとダメでしょ。


●3番目:一覧ページで商品毎にデザインが違う…●
【デザイナの罪】
この人、デザイナじゃない。ただのハデ好きな馬鹿。
一覧表示で枠毎に色や形が違う…………そんなインターフェイス、使いやすいって人間がどこにいる?
このコラムでは、「デザイナは芸術家」みたいに書いてあるが、デザイナと芸術家は根本的に違う。デザインは自分の感性を満たしてかっこいいもの作るのが仕事じゃない。要件を満たしたデザインを作るのが仕事だ。その中には当然、ユーザビリティも含まれる。
自分のデザインの対象がどういう存在か考えずにデザインする様なデザイナーは三流以下。
とかいうより、お前は商品が追加される度に新しくデザインを作るのか?デザインとかプログラムとかいう前に考えろバカ。
プログラマの罪】
この件は、プログラマの罪は少ないといえば少ないけども、デザインを2パターンくらいの繰り返しにする事は出来るかな。一覧で、互い違いに表示…くらいのロジックはすぐ考えつくと思う。
まあ、案件にもよるけども、デザイン前にデザイナとプログラマで話し合った方がいいと思うな。ってこれは、PLの問題?


●4番目:Flashをプログラムで制御?●
【デザイナの罪】
Flash使っていいかどうか、どの程度まで使うか、事前に確認とっておけよ。
まあ、指定無しでかっこいいのを作れとか発注来たなら、デザイナの罪は薄い様に思えるけども。
Flash担当なら、プログラムで出した内容をFlashで表示するって事は具体的にどうやるか知らなくても、FlashActionScriptが必要だって事ぐらいわかっとけ。
プログラマの罪】
素直にFlashわかりません。って言えよ。
プログラムでFlashの内容は変更できます。Flashそんなに詳しくない私でも、どうすればいいか大体想像つきます。Flashは外部テキストを参照する機能があるんだから、外部テキストを動的にすりゃいいんだよ。っていうか、Flashはデザイナが…って分担なら、それを説明できないデザイナもダメだな。



【まとめ1.芸術家とデザイナは違います】

まずこのコラム見て、最初にどうかと思ったのは、デザイナと芸術家を一緒くたにしちゃだめでしょ。ってこと。
デザイナと芸術家は根本的に違います。デザインというものは、ノウハウであり方法論である。という事。
Webに限らずデザインっていうもは、ただかっこよくても意味はないのです。プログラマの仕事と同じく、要件を満たさなくてはいけないものなのです。例えば、ポスターのデザイン。かっこいいポスターやきれいなポスターをただ作っても意味はない。「かっこよさ」や「きれいさ」は目的じゃなくて手段。かっこよさで目を引いて、ポスターで伝えたい内容を効率よく人に伝える。例えばシマンテックのWebサイト。なぜ真っ黄色か。アミノ酸飲料のペットボトルはなぜ白地に赤か。みんな理由があります。なんとなくかっこいいからではありません。かっこいい事は大事です。センスが必要です。でも、そのかっこよさが最終目的ではない。
Webサイトのボタンにロールオーバー入れるのだって、かっこいいからってだけじゃないでしょ?
自分で作ったデザイン説明を求められて、「かっこいいでしょ」しか言えない様なデザイナは、雇うべきではないと思うな。
ていうか、私はこういう事をデザイナに教えてもらったんだがな。ま。なんとなくかっこよく見えるノウハウとかも教えてもらったけど(笑)
私は「芸術家にとっては芸術が目的であるが、デザイナにとって芸術は手段である」と思ってます。

【まとめ2.作る前にちゃんと意識を統一しないと】

結局このコラムで書かれている問題は、デザイナとプログラマ…というよりも、システム担当とデザイン担当の間の話し合いが根本的に出来てない事じゃないかと思う。まあ、仕事なんだから事前に話したい相手と話が出来ない事もあるだろうけども、それが出来る様には持っていくべき。少なくとも、ASP.NETの機能で解決する問題じゃないと思う。
デザイナーもエンジニアも、画面の見た目は製品の使用の一部、インターフェイス設計なんだって事を理解しておくべきだと思う。
ユーザインタフェイスに関わる仕事をしているなら、デザイナもプログラマも、ユーザビリティ関連の本を一冊くらいは読んでくべきだと思うな。

【まとめ3.いいデザイナと悪いデザイナ】

あと、こういう事が起こる理由に関して心当たりが。
大体に於いて、こういう現場でデザイナを雇う時に、面接するのはPM、PL、SE。そういう類の人。プログラマを追加で雇う時には、自分がプログラマ経験があったり同じ業界だったりで、どういう質問をしたらいいのかよく分かっている。でも、デザイナを雇う時に面接で聞くべき事が分かってないんじゃない?と思います。作品ファイル見せられて、かっこよかったら、「ああかっこいいデザイン作ってる。この人なら大丈夫」とか思ってしまってないですか?作品ファイルに載せているサイトのデザインが要件にあったデザインになっているか、「このデザインのコンセプトは?」とか聞いてるのでしょうか?デザイン事務所に面接に行ったらぜったきかれると思うのですが。あと、Webページのデザインを見る時にも「かっこいいな」とか「きれいだな」とかじゃなくて、インターフェイスデザインは統一されているか?例え紙印刷されていても、操作がしやすいか実際に手を動かして確認してみるとか。そういう事が必要だと思います。
Webサイトのデザインでデザイナを雇うなら、紙じゃなくてhtmlなりFlashなり実物を見せてもらった方がいいと思うな。htmlが書けないWebデザイナ多いし。
ま。システム屋は、プログラマがピンキリだって事はよく分かってるけども、デザイナも結局一緒だって事がイマイチ分かってないって事。あと、プログラマにも得意な分野や言語があるのと一緒で、デザイナにも得意な分野や苦手な分野があるんだよ〜〜〜。


と、デザイナとしては四流、プログラマとしては三流の私がいってもね。説得力無いね。まあ、自戒も含めて。